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ユーザーの声を大切に、 保全業務をシステムでバックアップ。 保全業務をシステムで バックアップ。

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渥美 宏康 / システム開発エンジニア / 2020年キャリア入社
管理・製造IT本部 生産物流システム部 生産支援グループ

前職ではSIerにて製造業の生産管理システムの開発・保守を担当。小規模な案件が多かったことから、大規模なシステム開発が行えるトヨタシステムズに転職。入社後はトヨタグループ企業の基幹システムの老朽化更新プロジェクトに従事した後、保全システムの老朽化更新プロジェクトへと参加する。

CHAPTER 01 保全という重要な業務をシステムで支える

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まずは所属する組織の役割について教えてください。

生産物流システム部はその名の通り、トヨタ自動車の生産や物流をシステム面でサポートする部署です。生産面では、工場の車両生産に対する生産指示や、生産活動に必要な資材や設備を管理するシステムを担当しています。物流面では、部品や完成車両の配送計画・最適な輸送ルートを立案するシステムを担当しています。クルマができる前から、ディーラーに送り届けるまでの管理の仕組みをつくるのが我々の仕事です。

その中でも生産支援グループはどのような仕事を行っていますか?

生産支援グループでは、トヨタの工場の生産活動を支えるシステムを担当しています。統括しているシステムは主に2つ。1つ目が、「工場で必要な資材の調達と在庫管理の業務をサポートするシステム」です。そして2つ目が「保全システム」です。この2つの中で私は保全システムを専門にしています。

保全システムとは具体的にどういったものですか?

まずは「保全」というものの考え方からご説明します。保全は目立ちづらいですが、生産においてとても重要な役割を担っています。工場で車両や部品の生産をする中で、時間の経過とともに設備の消耗・劣化が進み、性能・機能低下による品質不良の発生や、突然の設備故障により生産ラインが停止するリスクがあります。そのため保全の部隊が定期的に設備のメンテナンスをすることによって、生産の質を常に一定に保っています。

そうした保全業務をアシストするシステムをつくっているのですね。

そうですね。保全の方たちが算出した「どれだけの周期で保全を行えば設備の劣化を防げるか」というタイミングを作業者に通知したり、実際の保全作業の記録などをアシストするシステムを開発・運用しています。保全業務は製造業の中でも「〇〇台生産した」というような定量的な成果が見えにくい側面があります。私としては保全業務の重要性を知っているからこそ、担当者の方たちが正当に評価されて欲しいという気持ちがあります。そのため、保全作業を誰が、どの程度の工数をかけて行ったのかをシステムで見える化する仕組みも導入しています。

CHAPTER 02 工場を飛び回り、ユーザーの声を集める

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保全システムに関わり始めたのはいつ頃ですか?

保全システム自体は20年ほど前から存在しており、そのシステムの老朽化更新プロジェクトの途中段階から参加しました。現在で4年目になりますね。プロジェクトのフローでいうと、自分が参加したのは要件定義の終盤あたりからになります。

そもそも改修が始まった背景にはどのような問題があったのですか?

保全システムは長年にわたり約40か所の保全現場の要望を聞き入れて都度実装してきました。その結果、運用も機能もガラパゴス化し、保守性が悪い状態となっていました。そのため、老朽化更新を機に全工場が必要とする保全業務本来の機能に絞って刷新(スリム化)するコンセプトでスタートしました。

機能をスリムにすると現場の方からネガティブなリアクションが起こりそうですね。

はい、実際に現場の方からの要望を調整するのが一番大変でした。10拠点以上の工場と、設備ごとに様々な問い合わせがありました。週に1度代表者を集めた全体共有会を開いていたのですが、その場だけでは到底ユーザーの声を拾えませんでした。そのため、自ら現場に行き、直接ユーザーと話すしかないと思いました。トヨタ自動車の担当部署の方に調整していただき、週に何度も工場に通いました。愛知県内の対象の工場はすべて回ったと思います。そこでユーザーの方に機能を一から説明して、要望点や課題点をヒアリングして持ち帰りました。そこから開発チームで要望の実現可能性を検証し、現実的なものは実装していくという作業を3ヶ月ほど続けました。

機能の調整の中で一番苦労した点は何ですか?

やはりユーザーによって異なる要望をどこまで受け入れるのかという点です。特定の機能を導入すると他の機能が使えなくなるといった兼ね合いもあり、ユーザーによっての要望の細かさもバラバラだったため、まとめるのは大変でした。最終的には綿密なヒアリングの中で本当に必要な機能だけを判断するという流れを選択しました。こうしたことからも、実際に現場に赴いてユーザーの生の声に耳を傾けるのは改めて大切だと感じました。

CHAPTER 03 チームのリーダーとして大規模システムに携われるやりがい

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プロジェクトの中ではどのような役割を担っていましたか?

15人ほどのチームのリーダーとしてユーザーと開発メンバーの橋渡しをする役割を担っていました。プロジェクト全体では総勢50人ほどのメンバーがいました。そこからシステムのUIを担当するグループと基盤システムを担当するグループに分かれています。私はUI側の一つのチームリーダーでした。

UI側のチームと基盤システム側のチームはどのように連携していました?

UI側のチームでは主に私がユーザーと会話して、どのような画面があれば業務が楽になるかなどの情報を集め、それが実現可能なのかを基盤システム側のメンバーとすり合わせるといった連携の仕方です。

UIの画面や基盤システムをつくるにあたって、今回はどのような開発環境でプロジェクトを進めましたか?

今回のプロジェクトでは新たな試みとして、従来では使ってこなかった開発ツールを積極的に取り入れました。UI側では「Out Systems」というローコードツールを用いて開発を行いました。非常に使い勝手が良く、業務の効率化が期待できるため新たに導入したという経緯です。ただ開発メンバーのほとんどがこれまで使ってこなかったツールのため、各自キャッチアップを行いながらプロジェクトを進めていきました。

プロジェクトを進める中で感じるやりがいはありましたか?

トヨタシステムズがトヨタの情報システム部門の立場でプロジェクトを進めていけることですね。私たちが直接ユーザーとやり取りを行う体制で、ユーザー要望を直接ヒアリングし、システムを一緒に作り上げることができました。また、自分一人では到底成し遂げられない大規模なシステムをチームでつくり上げていけることに大きな魅力や達成感がありました。

CHAPTER 04 関わるプロジェクトを広げて、自身の視野も広げたい

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プロジェクトは現在どのフェーズですか?

開発・リリースが終わって現在はシステムを維持するフェーズです。リリース後は問題もなく安定稼働していますし、今まで保全システムを使用していない部署から新たに使用したいとの声をいくつか貰っており、その調整を始めたところになります。

リリースの前後で何か変化はありましたか?

開発フェーズから維持フェーズに変わる中でプロジェクトの体制や役割も変化しました。全体統括のポジションとして現在は私がプロジェクトマネージャーを担当し、保全業務の改善活動やチームメンバーの指導・育成に日々励んでいます。

これまでのプロジェクトでの仕事を振り返ってみて、社内の雰囲気はどのような感じでしたか?

私がトヨタシステムズに転職してくる前は、「伝統的なトヨタ系のシステム会社だし、堅い会社なのかな…」と思っていました。しかし、入社して働いてみるとまったくそんなことはありませんでした。システムやサービスの品質にはきっちりとしており、強いこだわりを感じますが、一方で働き方自体はいい意味でカジュアルさを感じます。服装もある程度自由ですし、働く場所や時間も個人の都合を尊重してくれる空気感があります。こういった働きやすい環境があるからこそ、周りのメンバーたちと良い仕事ができています。

最後に、今後のキャリアについてはどのように考えていますか?

まずは目の前のプロジェクトが落ち着くまで全力で引っ張っていくことが目標です。今後少なくとも1年間は続くので、その間にマネジメントスキルを、実務を通して蓄えていきたいと思っています。ある程度プロジェクトを他の人に任せられるようになってきたら、手離れさせつつ、他のプロジェクトにも並行して参加していきたいですね。様々なシステムに携わりながら自分の視点を広く、深くしていきたいです。

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※取材記事・部署名は当時のものです

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