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INTERVIEWS

トヨタファイナンスの 次世代金融プラットフォーム構築 を支える。 トヨタファイナンスの 次世代金融プラットフォーム 構築を支える。

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トヨタファイナンス向けの次世代金融プラットフォーム構築プロジェクトを牽引する2名の社員にインタビューを実施。割賦(※)を利用するお客様、販売店、トヨタファイナンスの三者がWin-Winとなる金融プラットフォームの構築に向けた取り組みと、トヨタシステムズならではの強みについてお話を伺いました。自動車業界の変革期において、いかに効率的で顧客志向の金融サービスを提供するか。その鍵を握るプロジェクトの詳細に迫ります。
※割賦とは、自動車の購入に際し、代金を一括で支払わず、分割で支払う購入方法を指す。毎月の返済とすることで、購入のハードルを下げるメリットがある。

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江藤 寿洋 / システム開発エンジニア / 2022年入社
ファイナンスIT本部 販売システム部
販売店チャネルグループ

2006年に独立系SIerへ新卒入社。損害保険会社向けのシステム開発に12年間従事し、プログラマーからPM、マネジメント業務まで幅広く経験。その後、コンサルティングファームで勤務し、2022年にトヨタシステムズへ中途入社。現在はFS本部販売店チャネルグループに所属し、トヨタファイナンス向け次世代金融プラットフォームの構築プロジェクトに携わっている。

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浮田 弥 / システム開発エンジニア / 2018年入社
ファイナンスIT本部 販売システム部
開発共通グループ

2018年にトヨタシステムズへ新卒入社。大学では情報工学を専攻し、C言語やJavaなどのプログラミングを学ぶ。入社後はFS本部開発共通グループに配属され、トヨタファイナンス向けシステムの開発・保守を担当。主に受け入れブロックの開発に従事し、現在はSEからPMへのキャリア拡大を目指している。

CHAPTER 01 ユーザー・トヨタファイナンス・販売店の3者に
貢献するプラットフォーム

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まずは、このプロジェクトの概要と目的についてお聞かせください。

江藤 このプロジェクトは、 割賦を利用するお客様、販売店、トヨタファイナンスの三者がWin-Winとなる金融プラットフォームの構築を目指しています。主なポイントは二つあります。一つは販売店の資金調達をトヨタファイナンスに一本化することを目的として新たな金融商品の追加(以降、新商品追加)、もう一つは申し込みプロセスのデジタル化です。新商品追加は、従来、販売店が行っていた自動車を購入するための資金調達をトヨタファイナンスが受け持つための仕組みづくりです。この仕組みづくりによる三者への主なメリットは、割賦を利用するお客様には、デジタル化よる最適な買い方を選択することが可能となることや手続きの利便性向上があり、販売店には新商品追加により資金調達業務の負荷を軽減し、顧客接点に集中できること、そしてトヨタファイナンスには、新商品追加による商品の魅力向上となります。

浮田 システム面から見ると、従来のシステムは長年の運用で複雑化していました。新しい商品や機能を追加する際、どのような設定が必要か判断するのが難しくなっていたんです。このプロジェクトでは、これらの課題を解決し、より柔軟で効率的なシステムを目指しています。特に、受け入れブロックと呼ばれる、与信審査後の契約締結処理を担う部分は、何十年も運用されてきたシステムで非常に複雑化していました。新しい商品を追加する際に、既存の処理フローにどう組み込むべきか、判断に苦労することが多かったですね。

プロジェクトの規模と期間について教えてください。

江藤 2022年8月頃からプロジェクトが本格的に始動し、2023年7月に全販売店リリースを迎えました。その後も段階的に機能拡充を行っています。人員規模としては全体で300名以上のメンバーが携わっていました。複数のサブプロジェクトで構成され、私が携わっていたプロジェクトでは20〜30名程度の体制でした。

浮田 プロジェクトの規模と期間は江藤さんの言う通りですが、加えて主な開発スコープをお伝えすると、新商品追加とデジタル化の2つです。デジタル化はさらに、通常のスマホでの申し込みと専用アプリを使った申し込みの2つに分かれています。例えば、専用アプリではTSキュービックカードに紐づくTOYOTA Walletという決済アプリがあり、そこから契約申し込みや契約内容の確認ができるようになっています。

CHAPTER 02 実際の業務を深く理解することが、最適なシステムに繋がる

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お二人の役割について詳しく教えてください。

江藤 私はプロジェクトマネージャーとして、主に「商品・機能拡充」と呼ばれる、新商品のバリエーション追加や新商品に応じたシステムの機能拡充を図る部分を担当しています。トヨタファイナンスからの要望を受け、それを実現するためのプロジェクト計画を立て、各システム担当と調整しながらプロジェクトを推進しています。具体的には、RFP(要求仕様書)を基に、各システムブロックの担当者と詳細を詰めていきます。例えば、「新商品追加で、こういう目的を実現したい」という要望があれば、それを具体的な業務フローに落とし込み、どのシステムブロックに改修が必要かを特定していきます。複数のプロジェクトが並行して走っているため、それぞれの整合性を取ることも重要な役割です。ときには一つのブロックに対して複数のプロジェクトから改修要求が来ることもあるので、それらが矛盾しないよう調整するのも大切な仕事です。

浮田 私は開発共通グループに所属し、主に受け入れブロックの開発を担当しています。江藤さんたちPMと検討・整理した要件を基に詳細設計を行い、実際にコーディングしてシステムを構築しています。長年運用されてきたシステムなので、新しい要件をどう既存のシステムに組み込むかが常に課題になります。例えば、新商品が追加されても、受け入れの基本的な処理は変わらないのですが、後続の精算処理などに必要な情報が変わってきます。そういった変更をどう既存のシステムに組み込むか、常に悩みながら開発を進めています。

プロジェクトを進める上で、特に苦労した点はありますか?

江藤 複数のプロジェクトが同時並行で進んでいることです。例えば、商品拡充とデジタル化のプロジェクトが同時に走っていますが、影響を受けるシステムブロックは重複することが多いです。それぞれのプロジェクトの要件が互いに矛盾しないよう、常にコミュニケーションを取りながら進めていく必要がありました。また、業務知識の習得も大きな課題でした。割賦の申し込みプロセスを機能分解し、それぞれの機能が業務プロセスのどの部分に対応するのかを理解する必要がありました。これがないと、適切な提案や改善ができません。例えば、「新商品にて割賦を申し込みます」という一言の中にも、システム的には多くの機能が含まれています。それらの機能が実際の業務のどの部分に対応しているのか、しっかりと理解しないと、効果的な改善提案ができないのです。

浮田 私の立場からすると、システムの複雑さと業務知識の深さのバランスが難しかったですね。長年運用されてきたシステムは非常に複雑で、新しい要件をどう組み込むべきか判断するのに苦労しました。また、システムの改修が本当に業務ニーズに合っているのか、常に確認する必要がありました。特に、業務目線での正解とシステム目線での正解が必ずしも一致しないことがあります。そういった場合、PMを通じてトヨタファイナンスの方々と確認しながら、最適な解決策を見出していく必要がありました。

CHAPTER 03 ときに顧客よりも顧客の事業を理解する、だから良い提案ができる

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プロジェクトを通じて、最も達成感を感じた瞬間はありますか?

江藤 2023年7月の初回リリース時ですね。それまでは大規模プロジェクトが並行して対応・リリースするという経験がなかったため、無事にリリース、サービス展開できたことは達成感を得ることができました。また、複数案件全体となりますが、トヨタファイナンスから高評価をいただいたときは、プロジェクトの意義を強く感じました。具体的には、設計変更の周知・導入移行計画の調整などに苦労しましたが、これらの苦労が成果に繋がったことは今後のプロジェクト推進に向けて自信になりました。

浮田 私は、複雑な要件を無事にシステムに組み込めたときですね。特に、業務フローとシステムの動きがうまく噛み合って、効率的な処理ができるようになったときは嬉しかったです。例えば、新商品の追加に伴い、既存のシステムに大きな変更を加える必要があったのですが、それを既存の処理フローを崩すことなく実現できたときは大きな達成感がありました。

トヨタシステムズだからこそできたことはありますか?

江藤 長年にわたってトヨタファイナンスのシステムを担当してきたことで蓄積された業務知識が大きな強みだと感じています。システムの維持・保守にて得た知見を活かし、より良い提案が可能です。また、各担当者のマインドの高さも強みだと思います。単に言われたことをそのまま実装するのではなく、本当にそれが業務に必要なのか、もっと良い方法はないのかを常に考えながら仕事を進めています。これは、トヨタシステムズの文化として根付いているものだと感じます。

浮田 私が感じる強みは、アプリケーションからインフラまで、幅広い領域をカバーできる点です。同じビル内で密接にコミュニケーションを取りながら開発を進められるので、効率的なシステム構築が可能になっています。また、新卒からキャリア採用まで多様な経験を持つメンバーがいることも強みです。特に江藤さんのように、中途入社でありながら迅速に業務をキャッチアップし、プロジェクトを牽引されている姿は刺激になります。

CHAPTER 04 個人として、プロジェクトとして、さらなる広がりを目指す

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プロジェクトの今後の展望を教えてください。

江藤 現在は、他のグループ会社への展開に関するプロジェクトを担当しています。グループ会社固有のニーズを正確に理解し、これまでの経験や反省を活かしながら、日々プロジェクトを推進しています。将来的には、システムの構想検討からより深く関わり、より良い提案ができたらと考えています。

浮田 技術面では、既存のシステムの複雑さを解消しつつ、新しい技術も積極的に取り入れていきたいですね。特に、若手エンジニアを中心に新技術への挑戦を進めています。また、個人的にはSEからPMへとキャリアを広げつつあるので、業務とシステムをより深く結びつけられるような人材になりたいと考えています。

最後に、トヨタシステムズで活躍できる人材像について教えてください。

江藤 コミュニケーション能力と、本質を見極める力が重要だと思います。ユーザーの要望をただ鵜呑みにするのではなく、その背景にある真のニーズを理解し、最適な解決策を提案できる人材が求められます。また、自動車業界の大変革期にあるため、常に新しいことにチャレンジする意欲も大切です。

浮田 技術力はもちろんですが、業務知識への関心も重要だと感じています。システムと業務の両方を理解し、橋渡しできる人材が今後ますます必要になると思います。また、長期的な視点でキャリアを考えられる方も歓迎します。私自身、SEからPMへとキャリアを広げつつありますが、そういったチャレンジの機会は多くあります。

金融プラットフォーム構築プロジェクトを通じて、トヨタシステムズの技術力と業務理解の深さが伝わってきました。また、自動車業界の変革を支える重要な役割を担っていることがよくわかりました。今回のインタビューが、トヨタシステムズに興味を持つ多くの方々にとって、有益な情報となることを願っています。ありがとうございました。

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※取材記事・部署名は当時のものです

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