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製造現場の経験を活かし、 保全業務のデジタル化推進に挑む。 製造現場の経験を活かし、 保全業務のデジタル化 推進に挑む。

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青山 敬宏 / システム開発エンジニア / 2022年キャリア入社
PLM・CAD本部 生技・製造プロセス改革部 造機グループ

前職では自動車内装メーカーで14年間勤務。製造現場から始まり、設備保全など幅広い経験を積む。自動車産業における生産技術と設備保全の深い知識をベースにしたシステム開発に興味を持ち、トヨタシステムズに転職。現在は、設計・生技・製造・保全と幅広く3Dを活用した業務改善に取り組み、製造現場とITの融合を目指している。

CHAPTER 01 自主的な設備メンテナンスからシステム開発の世界へ

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これまでのキャリアについて教えてください。

ファーストキャリアは自動車内装メーカーでした。最初は製造現場で働いていましたが、設備が壊れるたびにもっと故障を減らしたいと思い、保全協力のもと活動をはじめ、そこから設備保全の道に入りました。約5〜6年間、設備保全の経験を積みました。この間、単純な修理作業だけでなく、設備の改善や故障の根本原因分析にも取り組みました。例えば、PLC(Programmable Logic Controller ) やロボットなどの様々な設備のプログラムなどを理解し、過去情報をもとに修理と再発防止が同時にできるようになりましたね。また、メーカーと協力して消耗部品の開発にも携わり、設備の稼働率向上に貢献。その後、TPM(Total Productive Maintenance)を推進する部署に移り、保全だけでなく設備設計段階から全社的な設備改善活動にも取り組みました。

トヨタシステムズへの転職を考えたきっかけは何ですか?

トヨタシステムズを選んだ理由は主に二つあります。一つは規模の大きさです。大規模なプロジェクトに携わることで、より広い視野と深い知識が得られると考えました。もう一つは、自身の培ってきた制御の知識をIT技術に活用できる企業と感じたからです。特に、デジタルツインやハードとソフトの両方に対応した技術に興味がありました。これらの技術を実際の製造現場に適用することで、生技・保全業務を大きく改善できる可能性を感じました。また、トヨタグループの一員として働くことで、自動車産業の最先端の技術や手法に触れられることも魅力でした。製造現場での経験を活かしつつ、ITの力でより効率的なシステムを構築することが、自分の理想のキャリアパスだと考えました。

CHAPTER 02 職人仕事をデジタル化でスマートにする

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現在の部署ではどのような仕事をされていますか?

生技・製造プロセス改革部に所属しています。主な仕事は、保全分野にMicroCaelumⅡという3DCADを周知すること。このCADは保全スタッフの工数も大幅に下げることができる優れものです。具体的には、IOCという制御検証システムの導入を進めています。これは、設備の3Dモデルを活用し、それを用いて設備の動作シミュレーションや干渉チェックを実際の制御プログラムを組み込んで行うことができます。これにより、実機を使わずに設備の問題点を事前に発見したり、改善案を検討したりすることが可能。例えば、新しい生産ラインの立ち上げ時に、実際の設備を組み立てる前に、制御プログラムの動作確認や最適化を行うことができます。これにより、立ち上げ時間の短縮や初期トラブルの削減を実現しています。さらに、これらのツールを活用した保全業務の改善提案も行っています。

保全業務のデジタル化にはどのような課題がありますか?

保全の現場には職人気質の人が多く、「今のやり方で十分だ」という意識が強いです。私もそうでした。長年の経験と勘に頼ってきた方法を変えることへの抵抗感が大きいのが現状。デジタル化の必要性をいかに理解してもらうかが大きな課題です。また、保全業務自体が多岐にわたるため、どの部分からデジタル化を進めるべきかの見極めも重要です。例えば、日常点検、定期保全、突発的な故障対応など、様々な業務がありますが、それぞれに適したデジタル化の方法が異なります。優先順位をつけて段階的に進めていく必要があります。

現在取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。

現在、トヨタ自動車の元町工場へ週1回の頻度で訪問し、保全改善活動を行っています。ここでは、MicroCaelumⅡを使って、設計段階から保全性を考慮した設備設計を推進していますね。例えば、定期メンテナンスが必要な部品へのアクセス性を3Dモデル上で確認し、メンテナンス作業の効率化を図っています。また、IOCを使った制御検証も導入したいと思っています。新規設備の導入時や、既存設備の大幅な改造時に、実機を使わずにプログラムの動作確認ができるため、立ち上げ期間の短縮や、初期トラブルの削減につながると感じています。さらに、現場の保全担当者向けに、これらのツールの使用方法や活用事例の勉強会を定期的に開催できれば、ツールの操作スキルだけでなく、デジタル技術を活用した新しい保全アプローチについても理解を深められると確信しています。

CHAPTER 03 システムの導入には地道にメリットを説明し続ける必要がある

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新しいツールを導入する際、どのようなアプローチをされていますか?

新しいツールの導入にあたっては、単に「このツールができることはこうです」という説明はしません。そのような一方的な説明では、現場の人々の心に響かないからです。代わりに、まず「どんなところで困っていますか?」と現場の課題をヒアリングすることからはじめます。例えば、「設備が故障しました。その都度突発で直していますが、根本的な解決策を見つけたい」といった声を聞き出します。そこから、「こういうシミュレーションができれば解決できるのではないか」といった提案を実施。現場の人たちの言葉を使い、彼らの課題に寄り添った説明を心がけています。また、新しいツールの効果を実感してもらうために、小規模なパイロットプロジェクトを実施することもあります。例えば、特に故障が多い設備の一部をモデル化し、シミュレーションを行って改善策を提案するといった取り組みです。このように、具体的な成果を示すことで、ツール導入の必要性を理解してもらいやすくなります。

プロジェクトを進める上で難しい点は何ですか?

技術的な課題もありますが、最も難しいのは人々の意識を変えることです。長年の経験と勘に頼ってきた保全担当者に、デジタルツールの有効性を理解してもらうのは簡単ではありません。「今のやり方で十分だ」「新しいツールを覚えるのが面倒だ」といった声をよく聞きます。また、新しいツールの導入には学習コストがかかります。忙しい現場の人たちに、その時間を確保してもらうのも難しい課題の一つです。日々の業務をこなしながら新しいスキルを身につけることは、大きな負担となります。

それらの課題をどのように克服しようとしていますか?

小さな成功事例を積み重ねていくことが重要だと考えています。例えば、シミュレーションを使って事前に問題を発見し、実際のトラブルを未然に防いだケースなどを丁寧に説明しています。具体的な数字を示しながら、「このツールを使うことで、ダウンタイムが○○%削減された」「保全作業の工数が○○時間短縮された」といった形で、メリットを可視化。さらに、現場のベテラン保全担当者の知識や経験を大切にしながら、デジタルツールとの融合を図れるように努めています。彼らの経験則をデジタルツールに組み込むことで、ツールの精度や実用性を高めると同時に、ベテラン社員の方々にも「自分たちの知識が活かされている」という実感を持ってもらえるよう工夫しています。

CHAPTER 04 保全の知識をベースに、
より広範囲のデジタル化を推進していきたい

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今後のキャリアについてどのようなビジョンをお持ちですか?

将来的には、製造現場のデジタル化を全社的に推進できるリーダーになりたいと考えています。そのためには、技術面でのさらなる向上はもちろん、プロジェクトマネジメントのスキルも磨いていく必要があります。具体的には、デジタルツールの知識だけでなく、組織変革やチェンジマネジメントのスキルも身に付けたいと思っていますね。また、IoTやAIなどの最新技術と、私が持っている現場の知識を組み合わせて、より効果的な保全システムを開発していきたいと思っています。例えば、機械学習を用いた故障予測システムの開発や、3D技術を活用した保全支援システムの構築などに挑戦したいです。

どのような人と一緒に働きたいですか?

私は元々生産技術や設備保全の仕事を行ってきました。現在は、前職で培った経験とトヨタシステムズの強みであるIT技術を融合させて、製造現場の業務改善を行っています。そのため、これまでの経験をしっかり活かしながら、新しい技術を学ぶことができる人がこの仕事に合っていると思います。ただ、それ以上にコミュニケーション能力の高い人材と働きたいですね。これは単に、人と話すのが得意なだけでなく、現場の方がより働きやすくなることを本気で考え、相手の話をしっかり聞きながら、自分の中で整理して発言ができる人という意味です。また、聞く時や話す時の表情もコントロールできる人だと素晴らしいですね。現場の声を丁寧に聞き取り、それを技術的な解決策に落とし込める人が理想です。製造現場には様々な立場の人がいますので、それぞれの視点を理解し、適切に対応できる柔軟性が重要だと考えています。製造現場をより良くしたい、そのために行動に移せる。そのような方をぜひお待ちしています。

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※取材記事・部署名は当時のものです

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