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INTERVIEWS

音声基盤のクラウド化を推進して、 音声基盤のクラウド化を 推進して、コールセンター コールセンター業務の進化を目指す。 業務の進化を目指す。

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カスタマーサービスシステム部を牽引する2名の社員にインタビューを実施。基盤システムのアップデートによる顧客情報の活用を強化するプロジェクトについてお伺いしました。

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市川 武人 / システム開発エンジニア / 2005年入社
セールス・カスタマーIT本部 カスタマーサービスシステム部
リモート情報グループ

前職では運送会社のシステム部門でエンジニアとして、運送に関する基幹システムや、自社のバックオフィス系のシステム構築を担当。その後、自動車業界で上流から下流に至る幅広い領域でのシステム開発に携わりたいという想いからトヨタシステムズへと転職。工場で使用する基幹システムの開発に携わった後に現在の部署に異動し、グループマネージャーとして活躍する。

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鼓 僚介 / システム開発エンジニア / 2007年入社
セールス・カスタマーIT本部 カスタマーサービスシステム部
リモート情報グループ

安定した地元の企業で働きたいという想いからトヨタシステムズに新卒入社。物流関連の部署でシステム開発を担当した後、整備士向けシステムの開発部署も経験。国内向け・海外向けなど幅広い領域で基幹システム開発の経験を積み、現在に至る。

CHAPTER 01 システムによってお問い合わせ情報の管理品質を向上させたい

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まずはお2人が所属する部署の役割について教えてください。

市川 セールス・カスタマーIT本部は、一言で言うと、クルマを販売した後に活躍するシステム全般を扱う部署です。例えば、販売店が使用するクルマの整備に関するシステムや、eケアサービスというクルマとシステムを繋いで、逐一クルマの使用状況をチェックすることで不調を察知できるシステムや、コールセンター業務に使用するシステムなども担当しています。

その中でも私たちが所属するリモート情報グループは、eケアサービスとコールセンター業務のシステムを管轄しています。私は現在コールセンター業務に使用するシステムを担当しており、グループマネージャーである市川さんは両方を担当しています。

では、お二人が携わっているコールセンター業務のシステム開発プロジェクトについて教えてください。

コールセンター業務のシステム開発プロジェクトは大きく2つのフェーズに分かれます。1段階目が2021年の1月に完了した「システムの老朽更新」で、2段階目が老朽更新完了後に発足して現在も続いている「音声基盤のクラウド化によるナレッジの活用拡大」です。

1段階目の「システムの老朽更新」はどのような経緯で始まったのでしょうか?

課題としては、お客様から寄せられるお問い合わせ情報の管理品質を向上させたいというものでした。これまでも電話やメールによって寄せられた問い合わせ情報は、社内に蓄積はされていたのですが、その情報を上手く活かせていませんでした。そのため、既存システムの更新や新たなシステムの導入を行うことで、お客様一人ひとりに対する応対品質を向上させていこうという動きが出てきました。その第一歩として、長年使用しているシステムの老朽更新から開始したという経緯です。

2段階目の「音声基盤のクラウド化によるナレッジの活用拡大」の背景も教えてください。

市川 集まった問い合わせ情報を活用して応対品質を向上させるためには、お客様の声を一元管理して、様々な用途で活用しやすい基盤をつくる必要があります。そのため、2段階目では、集まった問い合わせの音声情報をクラウドで一元管理するためのシステム開発を中心に推進しています。

CHAPTER 02 システム老朽更新のポイントはコストと品質のバランス

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各プロジェクトの背景が分かったところで、まずは1段階目の「システムの老朽更新」について詳しくお伺いできればと思います。プロジェクトを進める中で難しいポイントはありましたか?

コストと品質の両方をお客様に納得してもらうプロセスは大変でしたね。

市川 老朽更新というのは、システムの使用者であるお客様からすれば、今ある機能をそのまま使用できればそれでいいわけです。ただ、開発側である私たちとしては、そのようなお客様の要望をくみ取りつつ、既にあるシステムを新たなシステムに移し替える中で、新たな機能を導入して業務をより効率化したり、無駄なシステムを省いてコストを低減することなども求められます。

新システムに移行させる中で、コストや品質を追求するとお客様の業務に影響が出るのでしょうか。

市川 そうですね、長期的に見れば業務の効率化とコスト低減によって大きなメリットが生まれるのですが、目先の部分だけを見るとシステムの変更によって操作性が変わったりするので、一分一秒を争うコールセンターの現場で働く方々からの懸念は、やはりありましたね。

そのような方々に納得していただくために、自ら現場の方々に機能の説明を行いました。例えば、システムの変更によって少し操作性が変わり、4秒間のロスが生まれるという懸念の声をいただいたことがありました。そのときは、実際のシステム画面をお見せしながら、手順は違っても、作業自体の工数が変わらないことをご説明したり、お客様が話し出すまでにおおよそ4秒間かかるというデータを参考にして、お客様をお待たせする問題が発生しないことなどを丁寧に説明して納得いただくという作業を繰り返しました。

市川 コールセンターにはクルマに関するあらゆるお問い合わせが寄せられます。そのためオペレーション業務は膨大なパターンのマニュアルが用意されています。だからこそ、私たちはシステム改善にあたって、その膨大なマニュアルにどの程度影響するのかということを秒単位で検証しながら、現場の方々の負担が増えないように調整を繰り返していきました。こういった仕事があるからこそ、その先の業務改善やコストの低減という目に見える成果につながるのだと思います。

CHAPTER 03 「開発側の理想」と「現場側の理想」をすり合わせる

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1段階目の老朽更新を終えて、2段階目の開発に移るとお伺いしましたが、その2つのプロジェクトにつながりはあるのでしょうか。

市川 1段階目の老朽更新は、2段階目の開発に必要な基盤を整えるという意味合いが強いですね。1段階目で現状の業務内容を大きく変えずに、古いシステムを刷新できたことによって、以降に取り組みたい様々な改革に必要な仕組みがつくりやすくなったという状況です。そのため、2つのプロジェクトは地続きになっていますね。

1段階目の老朽更新によって、新機能搭載に向けた基盤が整い、集めたお問い合わせ情報をどのように活用していくのかを検討し、より高度な活用に向けたチャレンジがスタートしていきました。

では2段階目の開発について詳しくお伺いしていきます。改めて「音声基盤のクラウド化によるナレッジの活用拡大」プロジェクトの具体的なゴールイメージについて教えてください。

市川 音声基盤をクラウド化することによる運用面でのゴールと情報活用面でのゴールの2つがあります。まず運用面でのゴールは、多数あるコールセンターそれぞれで使用している通話録音や音声ガイダンスといった基盤機能をシームレスに共有して、応対品質の均一化による顧客満足度の向上や、運用コストの削減を達成することです。

情報活用面でのゴールは、蓄積したお問い合わせ情報を分析して、検索性を高めることでオペレーターの回答時の負担を減少させたり、チャットボットなどのツールを展開して、お客様がお電話をする前の段階で疑問が解消できるような仕組みを整えて、入電数を減らすということです。

そのようなゴールに向けて、どのようなステップで開発を進めていったのでしょうか。

音声基盤をクラウド化するのは、まったく0からシステムを構築するわけではなく、市販の音声基盤製品を今あるシステムに連携するというイメージです。そのため、まずは基盤の選定からスタートしました。どの基盤のサービスを使えば欲しい機能が実現できるのかということを考えます。

市川 そのフェーズでは、今後実現したい機能を開発チーム内で洗い出して、どの基盤がどの程度実現できるのかということを1つずつ検証していきました。

その次には何を行うのでしょうか。

次のフェーズでは選定した音声基盤を現在のシステムに連携させる工程に入ります。ただ、現在のシステムに新たな基盤システムを適応させるには「現在のシステムに搭載されているカスタマイズを新たな基盤システムでも踏襲する」か「新たな基盤システムに合わせて現在のシステムのカスタマイズを解除する」というどちらかを選択する必要があります。

市川 コストの低減や多数のコールセンター間の業務標準化の観点からも、カスタマイズしない方向で進める方針としました。その際に、システムの変更によって現場のオペレーターの方の業務に支障が出ないように、我々が実際に現場に入って、一緒に画面を確認しながらシステムの調整を行っていきました。

ここでまた、コストを低減したい開発側と、業務フローを変えたくない現場側の理想が対立してしまいますが、1段階目の老朽更新時のように、丁寧にメリットを説明することで、地道に納得頂きながら開発を進めていきました。

CHAPTER 04 トヨタ自動車のパートナーだからこそ、
現場に寄り添ったシステム開発ができる

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ここまでプロジェクトの具体的な内容をお伺いしてきました。プロジェクトを進めてきた中で「トヨタシステムズだからこそ」のメリットを感じた瞬間はありますか?

市川 一番感じるのは会社のポジションの魅力ですね。我々はベンダーという立ち位置で、お客様であるトヨタ自動車と関わっていますが、あくまでもトヨタグループのITを牽引する会社として、トヨタ自動車同等の立ち位置で仕事ができていると感じます。そのため、ユーザーがシステムを利用する現場へ意見を聞きに行きやすいのが大きなメリットであり、そこを我々は今よりももっと活かしていかなければならないのだろうなとも感じています。トヨタ自動車の情報部門としてシステム開発に携われるのは、本当に大きな魅力だと思います。

会社としてのポジションの魅力は私もすごく感じていますね。加えて、私が感じるのは、新たな事業領域にチャレンジする企業姿勢の魅力です。今回お話ししたコールセンター領域のシステム開発は、トヨタシステムズとしてはこれまで未経験の領域でした。しかし、会社として価値を発揮できる領域を広げていこうという動きがあったので、私が先陣を切って開発にチャレンジしました。このように、既存領域以外にもガンガン挑戦のチャンスがある会社なので、いずれは自動車業界以外の開発案件にもチャレンジできそうです。

では最後にお二人の今後の目標を教えてください。

今回お話しした「音声基盤のクラウド化によるナレッジの活用拡大」プロジェクトは2025年での完了を目指しています。そのゴールに向かって、お客様と一緒にシステムに向き合い続けることが当面の目標ですね。その先の話で言うと、トヨタというグループを超えて、より広い範囲で、システム開発によるプラスの価値を生み出していけるといいなと考えています。そのためには、今よりも深い専門性と広い範囲での業務知識、そして最新の技術動向にも精通しておく必要があると思うので、引き続き学び続ける姿勢は大事にしていきたいですね。

市川 トヨタシステムズに入社して、かれこれ20年近くになった今、考えているのは「恩返しをしていきたい」ということです。これまで様々な苦労がありましたが、やはり現在のグループマネーシャーというポジションに至るには本当に多くの方のありがたい支えがあったなと感じます。だからこそ、今の立場を活かして、同じ職場で働く皆さんに「やりがいのある仕事をつくる」ということで恩返しをしていけたらいいなと考えています。

お二人にはトヨタ自動車のコールセンター業務をアップデートする、基盤システムの開発プロジェクトについてお伺いしました。トヨタ自動車のITパートナーという立ち位置を活かして、システムのユーザーと密に連携を取りながら開発を進めていることが分かりました。今回の記事を通して、求職者の皆さまにトヨタシステムズのエンジニアの魅力が伝われば幸いです。

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※取材記事・部署名は当時のものです

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