

メモリは完成品となり、
真価を発揮する。
十分に確認したうえで、
その人にマッチする部署や職務に
アサインしてもらえる。


私の場合、新卒で入社したメーカーから、東芝が設立したベンチャー企業に出向する機会があり、初めて半導体パッケージに出会いました。そしてSIP(System in Package)のコンソーシアムに参加し、いろいろな大手メーカーのエンジニアの皆さんと接するなかで、パッケージ技術の面白さに魅力を感じたのです。
そこで、パッケージ関連のメーカーに転職したのですが、生産技術的な仕事がメインだったため、やっぱり自分でメモリ製品のパッケージを設計したい、もっとステップアップしたいと思っていた時に、当社がキャリア採用していると知り、挑戦しようと決意しました。
当初、パッケージの評価部門に応募したところ、面接でキャリアや希望をじっくり聞いていただいた結果、『設計経験があり、設計職を希望しているのなら』と、設計部門への応募を勧められました。あらためて面接を受けて、現在のメモリパッケージ開発部への入社が決まったのは嬉しかったですね。他のキャリア入社の人に聞いても、一人ひとりの話をしっかり聞いたうえで、適材適所の部署や職務にアサインされたと言う方が多く、当社のキャリア採用のとてもいいところだと実感しています。
未来的な先端パッケージの開発…。
最近まで5年ほど、USBメモリのプラスチックパッケージ開発に携わってきました。最初はメモリチップのパッケージ開発から始めたのですが、メモリや回路を実装した基板を収納するプラスチックケースに問題があり、チームの中でケースの開発を任されました。ほとんど知見がなかったので、プラスチック製品の生産技術に詳しい部門で射出成形の専門知識を学んだり、ケースメーカーの製造現場で射出成形の実際に触れたりしながら、USBのプラケースに技術を展開。その結果、いま販売されている当社のUSBメモリの多くは、私がケースを手がけた製品になりました。
現在は新たに車載用メモリ製品のパッケージの開発・設計に従事しています。
テーマが待っている。

私は製品寄りのフィールドなので、さまざまな知見を有する社内・社外のエキスパートと一緒に、世界市場に出る製品づくりに打ち込む醍醐味を満喫しています。
USBメモリのケース開発では、デザイナーが描いたイメージを、いかに具現化するか。カラーや光沢、曲面や角面などの見た目が美しく、落としたりしても壊れにくく、耐久性も高く、しかもコストは低くという要件をできる限り満たすように、つくる立場からデザイナーやパッケージ設計者と折衝しつつ、工場の製造技術陣とは開発者の立場で協議。デザイン性とコストパフォーマンスを兼ね備えたものづくりをリードしていきました。中国やフィリピン、シンガポールの協力工場にも何度か出張しましたし、デザイン側と製造現場の双方を見渡しながらプロジェクトを牽引。成果が商品になって世界各国の店頭やネット上に並んだ時の達成感は格別でした。
いま手がけている車載用メモリ製品のパッケージは、過酷な環境に対応する必要があり、安全の観点からも最高水準の信頼性が求められます。難易度が格段に上がるため、開発のハードルも高くなりますが、自動運転車やコネクテッドカーの進化に伴って、マーケットの急速な拡大が確実な分野だけに、先んじて挑戦する意義は大きいと楽しみにしています。
異業界出身の技術者も
多く活躍中。
精緻なものづくりに対する意欲と、物事を論理立てて組み立てる力かあれば、業界や業種は特に関係ありません。何らかの設計経験をベースに、新しい分野の設計に挑戦したいという意気込みが大事だと思います。
製品技術やプロセス技術、評価・信頼性技術など、四日市工場や京浜地区の他部署とのコンタクトも日常的です。ひとつのパッケージをつくり上げるには、電気特性や熱や構造などを解析しながら、シミュレーションを行って最適な解を見つけ出す必要があります。関連する各分野の専門家が揃っている当社には、『お互いにフランクに意見を出しあってプロジェクトを前進させるのが当たり前』という文化が脈打っています。

メモリパッケージ開発部