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EVENT REPORT #2

2018年1月26日、パナソニックラボラトリー東京に於いて、
「AI to REAL」第2回・テクノロジーミートアップが開催されました。
2017年12月16日に開かれた第1回に引き続き、「生活にイノベーションを起こすAI」をテーマに、今回はパナソニックが特に力を注いでいるAI戦略にフォーカス。
多数の参加者が熱い視線を送るなか、AIソリューションセンターの九津見洋所長が、「パナソニックが追求しているAI」について、全体的な取組みをプレゼンテーション。次に4つの重点テーマ「住空間・モビリティ・業務のデジタル化・AI人材の強化」について、それぞれの分野の担当部長から最新の事例・事情が紹介されました。
どのプレゼンターの講演も、予定の時間では足りないくらい盛り上がり、参加者は興味深く聞き入っていました。
最後に参加者とプレゼンターとの交流の場が設けられ、立命館大学の谷口忠大教授も参加されて、活発なコミュニケーションが交わされました。
講演内容については、ぜひ下記レポートをご覧ください。

REPORT01

パナソニックが追求するAIとは

「パナソニックが追求するAIとは何か。どのような取組みを進めているのか」AIソリューションセンター所長の九津見洋が、オーバービューを語りました。

使う側に徹して、AIを使い倒す。

九津見は自らもAIのプロではないと前置きしたうえで、「あくまでAIを使う側に徹して、AIを使い倒す」のがパナソニックの基本的な考え方だと明示。「私たちはAIを使いこなす大工であると社内に発信しています。AIという道具を、自らつくるというより、ビジネスを強化するために活用していく立場だからです」と述べて、理由を次のように話しました。

パナソニックには、
実際にAIが入っていく場所が、いろいろな事業にある。

「家電、住宅、車載、BtoB」の4つを事業の柱とするパナソニックは、どの事業も1.5~2兆円規模のビッグスケールを有しています。そして、AIソリューションセンターはAIを全社に展開し、新しい事業づくりに活用するというミッションのもと、本社直轄の戦略組織として設立されました。Panasonic Digital Platformと呼ばれる、AIやIoTを活用したソリューションに必要な機能と様々なビッグデータを併せ持つ全社共通のクラウド基盤も先行して立ち上がり、その機能が充実しつつあります。
「事業範囲が幅広いなか、インフラが完備し、データも揃っているため、AIを事業に導入していく環境が整いつつあるのです。だから私たちは全社の先頭に立って、使う側に徹したAIの活用をリードし、いろいろな事業へ広げていこうと、『AI to REAL』を実践しているのです」と、九津見は力強くアピールしました。

次の100年のために、世界最高レベルの環境を。

前回の第1回では、ビジネスイノベーション本部の馬場渉副本部長が「イノベーションの量産化を進めて、次の100年で世界一を奪還する」と未来への展望を示しました。その主要な一翼を担うAIソリューションセンターの所長として、九津見は今回、次の100年を見据えて力を注いでいる3つのアクションを紹介しました。

第一は、世界の知とのコラボレーション。

例えばデータ分析では、2016年のMost Innovative Company in Dara Scienceに選出されたシリコンバレーのARIMO社を買収してグループ傘下に。また、立命館大学の谷口忠大教授をパナソニックの20%社員(客員総括主幹技師)に迎えて「The REAL AI Project」を推進するなど、世界最高レベルのデータサイエンティストやAIのオーソリティと積極的にジョイント。AIの最難関国際学会に論文が採録される等、学術研究の領域でも確かなエビデンスを挙げています。

もうひとつは、グローバルネットワーク。

今回の会場、パナソニックラボラトリー東京のほか、本社のある大阪府門真市、シリコンバレー、シンガポールにAIの拠点を配し、全世界のパナソニックグループとも緊密に連携。ワールドワイドで英知を結集し、スピード感を持って研究開発や事業展開に推進できる組織体制を確立しています。

そして、何より重視しているのは、AI・イノベーション人材の育成。

「AIを理解し、使い倒せる大工、すなわちAIの事業への応用ができるエンジニアを2020年度までに1,000人体制に拡充する」計画を打ち出し、独自の教育研修講座を開講。すでに300人を超える人材が、国際的な技術コンペティションと同等の課題を解くという「修了認定」を取得しています。あわせて、馬場副本部長がリーダーを務め、シリコンバレーを拠点に活動している新規事業創出プロジェクト「パナソニック β」にも、各カンパニーから若手を数ヶ月サイクルで次々に派遣。イノベーティブな人づくりを強力に後押ししています。

パナソニックAIの可能性、将来性は大きい。

さらに九津見は昨年夏、MITなど世界の16チームが参加して競われたAmazon Robotics Challengeに初めて参戦。日本勢トップの6位と健闘した事例などを取り上げながら、
「私たちは文字通り、AI to REALをドライブしていくことで、次の100年に向けて変わっていこう、世界一を奪還しようとチャレンジしているのです。AIへの関心が高いエンジニアの皆さんには、チャンスあふれる活躍の場だと確信しています。ぜひ一緒に、パナソニックAIの豊かな未来を拓いていきましょう」と呼びかけて、講演を締めくくりました。