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DX時代のソリューションとして改めて注目されるSAP。そして、世界中の企業へコンサルティングサービスを提供するデロイト トーマツ コンサルティング。経営の根幹を担うシステムや戦略立案を支援する両社トップが、現状と課題、SAP×コンサルティングの必要性、そして求められる人材像を語った。
DX時代のビジネスリーダーに必要なものとは何か?NewsPicks社の対談記事より、コンサルタントとしてのキャリアを格上げしていくヒントをご紹介。

2019/10/25

「SAP×コンサルティング」
DX時代のビジネスリーダーに必要なもの

遅れる日本のDX

─ 多くの日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいますが、日本におけるDXの状況をどのようにみていますか。

佐瀬 日本経済全体が成熟し、先行きが見えないので経営は手探り状態。その中で、コスト削減の「守り」の観点と、イノベーション創出や新たなプロダクト・サービスの創造という「攻め」の観点、どちらにもデジタルの活用は必須ですから、DXに活路を見出すのは自然な流れですよね。
しかし、DXは各企業のミッション・ビジョン、戦略、業務プロセス、デジタル人材の量と質などによって進めることや優先順位は違いますから、どこにも共通した最適解はなく、一筋縄ではいきません。しっかりと現状を把握し、進む道を定めることがとても大切。ここにみなさん手を焼いているように感じます。

佐藤 真人

1976年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、2000年4月、新卒としてデロイト トーマツ コンサルティングに入社。製造業を中心に事業戦略やマーケティング戦略、技術戦略の立案ほか、組織・プロセス設計に関するコンサルティングに従事。特に自動車業界においては自動車メーカー、自動車部品サプライヤー、販社・ディーラーの領域をカバーする経験を有する。2019年6月、代表執行役社長に就任。1976年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、2000年4月、新卒としてデロイト トーマツ コンサルティングに入社。製造業を中心に事業戦略やマーケティング戦略、技術戦略の立案ほか、組織・プロセス設計に関するコンサルティングに従事。特に自動車業界においては自動車メーカー、自動車部品サプライヤー、販社・ディーラーの領域をカバーする経験を有する。2019年6月、代表執行役社長に就任。

福田 おっしゃるとおり、ファーストステップが重要ですよね。 日本企業は、ゴールが決まったら強いように感じます。「ここを目指すぞ!」と決まったらみんなで協力して正確に、そして合理的・効率的に進む力は本当に強い。ただ、走りながらゴールを見つけていくような仕事が少し不得意な気がしますよね。 DXはまさに後者ですから、そういった意味で日本企業は他国に比べてDXの速度が遅いかもしれません。

福田 譲

1997年、早稲田大学教育学部卒業後、SAPジャパン入社。 2007年にバイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部長、2011年にバイスプレジデント プロセス産業営業本部長などの要職を経て、2014年に代表取締役社長に就任。現在に至る。

福田 譲

1997年、早稲田大学教育学部卒業後、SAPジャパン入社。 2007年にバイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部長、2011年にバイスプレジデント プロセス産業営業本部長などの要職を経て、2014年に代表取締役社長に就任。現在に至る。

DXが変える経営の未来

─ 他国に比べて日本企業はDXが苦手とのことですが、課題はどこにあるのでしょうか。

佐瀬 日本企業は現場力が強く、そこに厳しい競争を勝ち抜く勝機があるのは事実です。
ただ、その現場力をグローバルに伝播させる仕組みづくりやIT基盤をなおざりにしてきました。 マネジメントの仕組みも各拠点に任せきりにしてきたため、オペレーションを担うシステムもバラバラになってしまっていた。こうした点に危機感を強め、IT基盤を見直し、ガバナンス強化を図る企業が増えてきています。

福田  自動操縦技術の誕生によって航空機のパイロットの役割が、機体の「操縦」から「マネジメント」へと変わったのと同様に、経営者に求められる役割も変わってきたと思います。
デジタルによって“自動経営”できる範囲が広がったことで、現場の状況をより的確に察知し、経営にフィードバックする能力が求められるようになってきた。そして、そのためには 経営をサポートする強靱なITシステムと同時に、経営者自身にもITやデジタルを理解し、経営に反映するリテラシーが必要です。
財務諸表を読めない社長はいませんが、「デジタル、わかんないんだよ(笑)」という社長は結構いると思います。改めて言うまでもなく、DXを成功させてグローバルで勝ち残っていくためには、経営者にとってもITやデジタルは必須のリテラシーとなっているのです。

DXの「知恵」としてのSAPプラットフォーム

─ こうした変化の中、今改めてSAPが注目されている背景は何でしょうか。

福田  SAPは40年間にわたって会計処理や販売管理など「ERP」と呼ばれる基幹業務領域のソフトウェアを提供してきました。

手前味噌ですが、SAPのソリューションは世界の商取引の77%に関わっています。各国のリーディングカンパニーのほとんどが、SAPのソリューションを活用してくれているのです。
そして、SAPは先進企業の経営基盤を運用してきた中でノウハウや要望を取り入れ、世界中の業界や企業のプラクティスをアセット化してきました。つまり、ITを使ったマネジメントやオペレーションの「知恵のかたまり」をグローバル規模で持っているのです。
グローバル化やデジタル化の「知恵」をフレームワークとして展開できる事がSAPの強みであり、今求められている事なのだと思います。

─ そういった意味では、実際にSAPの導入をコンサルティングするパートナーの力もより重要になっているということでしょうか。

福田  おっしゃる通りです。私たちが得意にするのはソフトウェアの提供やデザイン思考の場づくり。いわば部品を提供する役割です。
世界の状況や企業の特性を見ながら、経営戦略やオペレーションのあるべき姿を示すコンサルティングを担うまではできない。だからこそ、DXの支援にはパートナーの力が非常に重要だと考えています。

「経営+デジタル」がコンサルタントの必要条件

─ コンサルティングサービスを提供する立場では、どのような役割の変化を感じていますか。

佐瀬 これまではクライアントの経営戦略を策定し、成長を支援する事が主な業務でしたが、今はクライアントと一緒にビジネスをドライブしていくように役割が変化しています。
それ故に、従来のように「経営」に精通しているだけではなく、「グローバル」や「デジタル」の「知恵」をいち早くキャッチアップし、その知恵を生かしてクライアントの価値を広げてゆくことが必要とされています。

─ 個々のコンサルタントに求められる資質やスキルも変化しますよね。

佐瀬 大きく変化していますね。まさに「データを扱う力」が必要になっています。データには、OデータとXデータの2種類があります。
OはOperationを意味し、買い物に例えるなら「Aさんが商品Bを買った」という売上データ。XはExperienceを意味し、「Aさんがなぜ商品Bを買ったのか。満足したのか」といった非定型なデータです。
これまで2つのデータがリンクしておらず、両方を見ることができませんでしたが、 DXによってXデータがより豊富に取れるようになれば、両方のデータを組み合わせ、新しいバリューを生み出せるようになります。
先ほど福田さんがデジタルのリテラシーはこれからの経営に必須だとお話しされていましたが、コンサルタントも同様です。デジタルは特殊なスキルではなく、当たり前に身につけるべきリテラシーとなっているのです。

SAPは成長の最短距離

─ ITやデジタルの知識・スキルを持っている事がコンサルタントの必要条件ということですね。

佐瀬 その通りです。ただし、ITやデジタルの知識を持っているだけではやはり不十分なのです。 当社ではSAPのコンサルティングビジネスが急速に伸びていますが、そこではデータサイエンティストのような能力だけではなく、ビジネス観点とデジタル観点を掛け合わせて世の中や企業を見る能力が求められます。SAPをプラットフォームとして活用し、ビジネスの流れをつくるイメージです。

そのため、システム開発のバックグラウンドがない事業会社出身の方がSAPコンサルタントとして活躍しているケースも多いです。むしろ、経営やオペレーションの実態を知っていることがコンサルタントとして大きなアドバンテージになってくる。 あらゆる産業のエクセレントカンパニーの集合知であるSAP。そのSAP導入に携わるということは、経営に関する理解を深めると同時にITやデジタルのスキルセットを磨くことができる。コンサルタント自身の市場価値を上げる最短距離であるともいえるわけです。

デロイトだからこそ達成できるDXキャリア

─ しかし、SAPのパートナーであるコンサルティングファームは、デロイト以外にもたくさん存在します。

佐瀬 これまではクライアントの経営戦略を策定し、成長を支援する事が主な業務でしたが、今はクライアントと一緒にビジネスをドライブしていくように役割が変化しています。
それ故に、従来のように「経営」に精通しているだけではなく、「グローバル」や「デジタル」の「知恵」をいち早くキャッチアップし、その知恵を生かしてクライアントの価値を広げてゆくことが必要とされています。

福田 確かにご指摘の通り、SAPのパートナーはコンサルティングファームに限らず多数存在し、SAPとともに企業を支援してくれています。ですから佐瀬さんだけに肩入れするような話はできないのですが(笑)。
しかし、客観的な事実としてデロイトは優れた実績を挙げたパートナーを表彰するSAP Awardの常連です。Partner Excellence in 2019ではAPJ(Asia Pacific Japan)地域においてS/4 HANA Cloud部門で受賞しています。
グローバルで確かな実績を持つパートナーであることはSAPとして認めていて、その根拠はお客さまからの評価によるものです。

佐瀬 企業がデジタル化の大きなうねりの中で厳しい競争に立ち向かう今、SAPコンサルタントの需要が高まっています。しかし一方で、その重要な役目を担うIT人材が不足し、社会課題となっているのも事実です。
日本の産業が世界に負けることは、日本という国の衰退を意味すると私は真剣に考えています。日本企業の成長を支援するためにも、こうした課題に対して我々が力を尽くし、これまでのIT人材を超えた、「グローバル・経営・デジタル」を備えた世界で通用するDX人材を育てる必要があると考えています。
そこで今、デロイトでは少しでもDXに興味のある方をサポートするため、オープンなラーニングプログラムをスタートさせます。
第1回は福田さんにもご協力頂き、SAPジャパンと共同で企画を進めており、SAPはもちろん、DXやコンサルティングを学ぶきっかけとしてご活用いただければと考えています。少しでも興味がある人は、ぜひ当社に触れてもらえればと強く願っています。

(取材・編集:木村剛士 構成:加藤学宏 撮影:竹井俊晴 デザイン:月森恭助)
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