守る試験官ではなく、
攻める評価技術者こそ
キオクシアの品質の要。
SSD事業部 評価担当
データセンターからPCまで、大容量のデータ記憶装置として広く使われているSSDが、どれだけ正確かつ速やかにデータを読み書きできているのか。製品の生命線を握るパフォーマンスを厳密に評価して、品質の向上を支え、収益向上にも貢献している2人の評価技術エンジニアに、現場での体験を語り合ってもらった。
2019年入社
SSD事業部 評価担当
大分県出身。大学では情報工学専攻。前職は半導体メーカーで10年ほど評価業務を担当。前工程のウエハーから後工程のパッケージングまで、主に通信系ICの検査、量産テストライン立ち上げ、歩留まり改善などに従事。半導体製品として将来性が高く、技術的にも高度なSSDの評価業務に魅力を感じてキオクシアに入社。
2025年入社
SSD事業部 評価担当
茨城県出身。大学では電気電子工学専攻。新卒で入社した電気メーカーで電源回路のハードウェア開発と組み込みソフトウェア開発を、合わせて4年半ほど経験。その後、ゲームソフト開発に1年、半導体製品向けテスターのプログラム開発に2年ほど携わるなかで、ハードウェアに近いソフトウェア開発でキャリアを積みたいという気持ちが強くなって現職に就く。
評価は、開発、製造と並ぶ三本の柱。収益向上に貢献できている実感が嬉しい。
SSD製品の評価技術エンジニアが担っている役割は何ですか?
SSDは、フラッシュメモリやコントローラーをはじめ、さまざまな電子部品によって構成される製品です。コントローラーには制御ソフトが組み込まれており、ハードウェアとソフトウェアが協調して、スピーディーにデータを読み書きしたりエラーを訂正したりすることで、データを1ビットの間違いもなく正確に扱えるようにしています。言葉を返すと、部品のどれか一部、プログラムのどこか一行にでも問題があれば、製品の信頼性に響きかねないのです。そこで、当社が世界市場に出荷する製品の品質を確保するために、テストを通じてパフォーマンスを担保するのが、評価技術エンジニアの役割です。
私たちの部署では、評価用テスターのハードウェアとソフトウェアの開発まで手がけています。そのほうが、自社製品の特性に合った試験ができるうえ、製品開発のリードタイムの短縮や、何か問題が起きた時の迅速な解決に結びつくからです。業務を進めるにあたっても、私たちは製品のハード・ソフト開発及び製造技術の各部門と密接に連携しています。評価技術の観点から、製品の仕様や量産ラインに関しての提言も行います。こうして、開発と製造と評価が三位一体になってより良いものづくりを追求しているのが、キオクシアのSSD事業の特色であり、信頼性が高いという市場での評判につながっていると、私は自信を持っています。
問題解析ではハードウェア要因なのか、ソフトウェア要因なのか、テストのやり方によるのか……など、関連部門と力を合わせて、あらゆる角度から原因を究明し、結果を製造部門にフィードバックして、歩留まりの改善を図ります。私はデータセンター向けSSDの評価技術を担当していますが、大容量で単価が高いため、0.1%の歩留まり改善でも、収益向上に大きく寄与できていると嬉しく感じています。
時間は短く、コストは低く、品質は高く。共通のゴールを目指して挑戦を続ける。
お二人はそれぞれ、どのような業務を担当されていますか?
SSD評価用テスターのソフトウェアを開発しています。テスターは試験専用のPCのような装置で、評価対象のSSDを接続し、読み書きやランダムアクセス等の性能を調べるプログラムを利用してテストを実施します。この試験用のプログラムと電源や信号を制御するプログラムの開発が、私の担当業務です。
SSDとテスターをつなぐだけでは、うまく動作しないケースも多いので、コンシューマー向けやデータセンター向けといった用途、コントローラーやインターフェースの特性など、SSDとテスター双方の仕様を把握してプログラムを組まなければなりません。他にも、不要になったメモリ領域の解放、メモリセルへの書き込み回数の分散といったバックグラウンドの仕組みなど、多様な要素を考慮する必要があるので、ひとつの漏れもないよう目を配り、「短時間・低コスト・高品質の三拍子」が揃った製品テストを実施できるよう頑張っています。
私は、K.T.さんのチームが開発したテスターとテストプログラムを使って試験を行う側で、連絡を取り合って業務を進めています。私自身は特に、どのようなテストを行うべきかという評価計画の策定に重きを置いています。
先にデータセンター向けSSD製品を担当していると話しましたが、クラウドサービスの世界的企業がメインのお客様で、ご要望に応じてカスタマイズされた製品が評価の対象になります。例えばですけれど、セキュリティに関するデータを記録する機能を付加したいといったリクエストがあればログチェックの試験を追加するなど、顧客仕様に即した評価プランを、製品開発や製造技術の担当者と相談しながら検討・決定しています。また、データセンター向けで大容量だからといって、リード・ライトの試験に時間をかけ過ぎてしまうと、テストコストがアップして収益に影響します。どうしたら、できる限り短時間で試験を完了して、コストを抑えつつ確かな品質を約束できるか。鍵を握る評価計画の立て方に知恵を振り絞る毎日です。
日本と台湾でデータの扱い方にズレとか、テスターとSSDがつながらないとか、試験あるある。
最近の印象的なプロジェクトはありますか?
新製品のテストに際し、既存の手法を流用できないかと考えてアプローチしたのですが、横展開がうまくいかないという壁にぶつかりました。新製品と既存製品の何が違うのか、細かく照らし合わせてみたところ、コントローラーを動かす組み込みソフトウェアの仕様が微妙に異なっていると判明。同じ機能を扱うソフトウェアでも、既存製品は日本で、新製品は台湾の子会社で開発したものだったため、データの扱い方にズレが生じていたのです。分かってみれば「なーんだ!」で、仕様に合わせたプログラムに修正して解決できましたが、製品の評価試験は関連する部門が多いので、すべての関係者と認識をすり合わせ、小さな抜けもないよう徹底することが大事だと痛感させられました。
テストあるある、というか、組み込みソフトウェアあるあるですね。私が印象に残っているのはハードウェアあるあるで、最新の接続方式を採用したSSDの新機種を、アダプタを経由してテスターとつなごうとしたら、なぜか動作しないのです。やはりK.K.さんと一緒で、SSDやアダプタのハードウェア設計エンジニアと議論を重ね、電源投入から接続に至る機器のシーケンス(一連の動作)を一つひとつ見直し、微調整を加えて解決できました。関連部門と協力して、試験にまつわる色々な技術課題を突き止めていくのが、評価技術エンジニアの難しさであり、おもしろさだと実感しています。
共通の言葉は英語。「世界で仕事をしている」「世界の役に立っている」と日常的に体感できる。
最後に、キオクシアへの転職を検討されている方へのメッセージをお願いします。
日常的に「世界で仕事をしている」と実感できる環境も魅力だと思います。SSD製品の開発と評価は日本が中核で、製造はフィリピンとタイの協力工場が主力ですが、台湾にも開発・製造・販売の子会社を置いていますし、アメリカ・ヨーロッパ・アジアに営業拠点があります。評価仕様の打ち合わせや量産段階でのテスト立ち上げで、私も何度か海外出張を経験していますし、英語でのコミュニケーションが基本なので、デスクのPCの向こうに世界が広がっている感覚です。たまにアメリカの営業から、お客様にご評価いただけたといったメールが入ったりすると、「世界の役に立っている」と、この仕事の意義を改めて感じます。
評価技術に対する評価が高いのが、私はいちばんの特徴だと思います。テストエンジニアというと、依頼を受けて試験をする受け身のイメージを持たれるかもしれませんが、大きく異なります。繰り返しになりますが、当社の評価技術は、試験の効率化や問題解析による歩留まり改善を先頭に立って推進することで、品質と収益の向上に資する役割を担っているからです。自ら発案してチャレンジする人を評価する風土が息づいているので、意見や提案にもしっかり耳を傾けてもらえます。
守るほうの試験官ではなくて、評価技術は攻める立場なんです。私たちが成果をあげるほどに、製品の優れた品質が保証され、それが結果的にお客様の高い評価に結びつくと、そう言ってもいいでしょう。
賛成です。評価技術って、なかなか外から見えないけれど、キオクシアではものづくりの重要な一翼を担う存在として認められていることを、ぜひ皆さんに知っていただきたいですね。
※本記事は取材時点の情報であり、最新の情報とは異なる場合があります。(取材日:2025年8月)







